コレクション: ドメーヌ・サン フランソワ(Domaine-Saint-François)
1997年、フランソワ・ルカンはドメーヌ・サン・フランソワを設立しました。彼にとって自分の名を冠した念願のドメーヌ名の設立です。
ルカン家の歴史は長く1679年に遡ります。それ以来300年以上ブドウ栽培は引き継がれていてフランソワ自身が何代目なのか分からない程です。1993年フランソワの父ルネ・ルカンは兄弟と袂を分かち、ドメーヌ・ルネ・ルカン-コランを設立しました。コランとは母方の苗字で、母方はシャサーニュ・モンラッシェ等を所有していました。1996年にフランソワがドメーヌに参加、10年間父親の下で働いた後、2006年の父親の引退に伴いドメーヌを相続しました。2009年よりビオロジックへの畑の転換し10年目になります。
ビオロジックに対しても彼の信念があります。畑仕事は大変ですがビオロジック認定のラベルは付けていません。ビオロジックをアピールするのは殆ど関心がなくひとつひとつの畑仕事が結果的にビオロジックになっただけです。SO2使用に対してもこだわりがあり最後のオリ引きの時に1回だけSO2を入れます。他の生産者は畑にもブドウにもSO2を撒くことがありますが常に撒いていると本来酸化すべきブドウ汁も残ってしまい数年後に劣化することもあるのです。樽の中のオリが酸化を還元する力がありその助けを借りてうわづみを取り入れます。
フランソワは伝統を引き継ぐだけではなく、積極的により良い方法を新しく取り入れています。例えばスクリューキャップを導入する等です。これらは当時ブルゴーニュでは革新的であり、継続して続けることは大変困難を伴うものでした。スクリューキャップを使用し続けて10年になります。この期間は、ブショネの発生が無くなると共にそのクオリティーが維持されていることを証明しています。彼は全てのワインをスクリューキャップにしたいという思いがあります。しかし、スクリューキャップは市場において理解が進んでいないのも事実で、フランソワはその事実を理解し受け入れています。最近ステルバン・リュックスという最新の高級スクリューキャップの使用を検討しています。ちなみに新出気鋭のブルゴーニュの造り手バンジャマン・ルルーのバタール・モンラッシェ、コルトン・シャルルマーニュもこのステルバン・リュックスのスクリューキャップを使っているそうです。