中央ロワール2022ヴィンテージレポート

1月〜2月
葡萄畑は、非常に穏やかな冬を経験し、マイナスの気温はほとんどなく、特に水不足で本当に大きな降雨量はほとんどありませんでした。

サン・ヴァンサン

3 月
春は葡萄樹の成長に適した気候で、萌芽は平年通りのタイミングでした。

4 月
4月3日から4日の夜、サンセールを始め中央ロワール地域は晩霜警報が発生し、気温はサンセールで-3.7℃、シャトーメイヤンで-5.2℃まで下がりました。

しかし、2021年の壊滅的に近い被害とは異なり、葡萄樹の成長は当時に比べ進んでおらず、気候は乾燥していました。

このため先に成長が進む品種、特にピノ・ノワール、ピノ・グリ、シャルドネで影響を受けましたが、相対的な被害はそれほど大きくはありませんでした。

次に4月10日の2日目の夜明けも警報が出たものの幸いにも大きなダメージにつながるような被害はほぼ発生しませんでした。

この寒さの後、葡萄樹は急激に加速し6月まで一気に非常に急速な成長をしました。

 

5 月
既に第一回目の熱波到来があり非常に暑い夏になる見込みと予報されました。

最初の開花はピノ・ノワールで5月15日頃に確認されました。

次いでソーヴィニヨンの開花は5月21日に始まりました。

(2007年、2010年、2020年と同レベル)。



6 月
6月の1ヶ月は熱波の後に雷雨という状況が繰り返し続き葡萄樹は猛烈な勢いで急速に成長し、ワイン生産者は非常に迅速に働くことを余儀なくされました。(パリサージュは6月15日頃にドメーヌ・グラルで終了しました)

ちなみに、15年前くらいではパリサージュは7月14日に終わるのが通例でしたので地球温暖化の影響を(葡萄の芽吹きのタイミングが年々早まり4月の晩霜被害に繋がるように)ここでも感じるそうです。

病気の面では、晩枯病とうどんこ病は5月末からより多く存在していました。

6月の降水による湿度と暑さのために、両方の病気を封じ込めるために葡萄樹のコンディションの慎重な監視が必要でした。

 

7月31日現在
7月も引き続き夏らしい気候が続き、日夜の寒暖差は葡萄樹に良い状態です。

ヴェレゾン開始(例年比の15日前)。

早い区画ではピノ・ノワールで7月11日(7/15より前に確認されることは異例中の異例)

グラルのロゼ用ピノ・ノワール区画では25日前後で確認されました。

8月の気候状態が平年並みに正常であれば、収穫の開始は9月7日から15日(9月10日の満月を目安にしています。)にドメーヌ・グラルでは予定されています。

大きな区画や南向きの若い葡萄畑から収穫スタートの予定。

葡萄の状態は健全で良好ですが7月の降雨量が非常に少ない(ほぼゼロに近い)ため、

少しストレスがあります。

8月もこのまま雨が降らなければ、葡萄樹は実は多いが果実自体は小粒で非常に凝縮感のある状態で収量に影響を与える懸念が残っています。

実が多くても(2021年の霜の年の後)、収穫量としては過剰ではなく良好の見込みです。

8月の天候と気温は、アルコール度数と将来の収穫の質を決定します。

(収穫時期が早まることと8月は最後の勝負所ですのでほとんどのワイン生産者はバカンスを先に伸ばして葡萄畑と倉での収穫準備に大忙しの状態になっています。)

ヴァンサン・グラル